高校三年の夏に友人の紹介で出会い、そこから交際に発展するまで時間は掛からなかった。
1学年違いでの交際。10代の私たちにとってはバランスが良く、2人で過ごす日々は青春そのものだった。

左手の薬指の絆創膏の下に隠したペアリング、
こっそりを抜け出し屋上で待ち合わせた午後の授業、
2人乗りで駆け降りた学校帰りの坂道。
彼女といた1日1日は全てが記憶の中で鮮明に生きている。

そして季節は過ぎ
足早に通り過ぎる秋を見送り冬へ。
2人手を繋いで行った初詣
願う事は言うまでもなくお互いに、
「いつまでも一緒にいられますように」と。

幸いな事に受験勉強というものは縁がないまま大学進学が決まっていた私。
2人で過ごす時間は沢山取れたのですが、彼女も将来を考え始める歳になり
楽天的な私とは少しずつぶつかり合う事もありました。
今思えば本当に小さな小さな喧嘩だったのですが、素直になれなかった10代の私たちにとっては1つ1つが修羅場の連続でした。

そしてなるべくしてなったと言うか、2人はお別れをする事に。
きちんと話が固まったのは2月の終わりでした。

3月頭に卒業式を迎えた私。
ひとつずつ無くなってゆく制服のボタン。
第二ボタン一つを残したまま、通いなれた校舎に背を向け歩き始めました。

学校の敷地内で正門のすぐ近くにあるプール
第二ボタンをもぎ取り力いっぱい投げ込みました。
円状に広がる波はプールサイドにせき止められ、
同時に私たちの本当の終わりを実感しました。

帰り道、止めどなく溢れる涙を止める術は
当時の私にはありませんでした。

それ以来、彼女と合う事はおろか
連絡を取る事すらありませんでした。
あれから数年が流れ大人になった今にとっては
青春時代のほろ苦い思い出なのですが、

あの時素直になれてたら、って
時々思い出して後悔したりもするんです。

あの日と同じ青空を見た記念に書いてみました。